棚卸に関わる時間やコストの問題を抱えており、解決方法をお探しの方も多いと思います。これらの問題を解決するには、どのようにすればいいのでしょうか?


棚卸しが必要な理由は2つあります。
一つ目の理由は、税務会計上の決算確定のためです。期末の在庫高は貸借対照表の棚卸資産です。この棚卸資産が本当に実在するのか、その金額は妥当なものかを判断するために棚卸しを行い、在庫を調べる必要があります。
二つ目の理由は、在庫管理の精度を知るためです。在庫の帳簿上の数字と現物は合うはずですが、実際にはなかなか合いません。この在庫差異を調べ、その原因を調査し改善していくことで在庫管理の質を高めることが出来ます。棚卸回数が多いほど在庫管理の質が高まりますが、実際は時間やコストの問題で年1回しか行われてない事も多いかと思います。
それでは、実地棚卸はどのような手順で行えばいいのでしょうか。一般的には、下記のような手順で棚卸業務を行います。
実地棚卸の日程を決めます。会計上の必要性から決算期末に実施するのが一般的です。次に棚卸の品目や場所を決定します。棚卸の品目や場所が決定したら、棚卸作業の担当者を決定し、棚卸表を作成します。当日の作業方法(作業範囲、数え方、記入方法など)を担当者に事前指示しておきます。
棚卸表から現品の確認を行い、実数を記入していきます。このとき破損品や不良品なども確認します。
帳簿上の在庫数と現品数に差異が発生している場合は、その原因を究明します。差異が大きい場合は、帳簿上のミスや棚卸の作業ミスの可能性があるので、帳簿上の数量の洗い直しや実地での再確認を行います。最終的に発生した帳簿との差異については、現物の在庫に基づき帳簿を修正します。この時点で在庫差異率(※1)が低ければ低いほど、在庫管理の精度が高いと言えます。


以上の作業を行い、期末には帳簿と実数を一致させて、新しい営業年度を迎えます。
前述のように実地棚卸は、多大な労力とコストが掛かります。貴社に限らず、多くの企業様でも実地棚卸の効率化を求められているのが実情です。棚卸を効率化するには、在庫を1つずつ数えるのではなく、重量換算法や長さ換算法などを用い、数量を求める方法があります。
(1) 重量換算法
ネジやナットなど部品を全体の重さから1個の重さを割って数量を求める方法
(2)長さ換算法
絨毯などの巻物を半径から換算する方法
(3)深さ換算法
液体を容器の深さから換算する方法
これらの換算法を用いることで、棚卸の数量を確認する作業は短縮できます。しかしながら、棚卸に掛かる時間の割合で言えば、上記の数量を確認することよりも、商品が見つからない場合や帳簿よりも在庫数が多い場合など、想定外の問題に時間が掛かることが多いのです。













